最近注目されている借り入れ方法として「残価設定型クレジット」という支払い方法があります。
「残価設定ローン」「残価設定型プラン」などと呼ばれることもあり、略して残クレと言われています。
残クレは自動車メーカー系列のファイナンシャル会社が提供している金融商品です。
- トヨタ:トヨタファイナンス株式会社
- 日産:日産ファイナンシャルサービス
- HONDA:ホンダファイナンス
- スズキ:スズキファイナンス
テレビCMで見かけたり、カーディーラーでも必ず紹介される注目の支払い方法なので、聞いたことがある人も多いかもしれません。
残クレが紹介されるときによく目にするのが下記の3つです。
- 3年~5年ごとに新車に乗り換え可能
- 月々の支払いが楽々
- 買取額が保証されているから安心
これだけ聞くとお得な自動車ローンのような気がしますが、果たして実際にそうなのでしょうか?
残価設定型クレジットとは、総返済額から買取額を差し引いた残債を期間中に返済していくというローンです。
ローン返済の最終回の時点で、その後どうするかを下記の三つから決めなければなりません。
1,新車に乗り換える
新車に乗り換える場合は、「残債=買取額」であれば追加の支払いはありません。
次の新車も残クレを利用するならば、最初から下取り額を差し引いた残債分だけ新たにローンを組むことになります。
2,車を返却する
「残債=買取額」であれば追加の支払いはありません。
他のメーカーの車に乗り換える場合は、車を返却することになります。
規定内の走行距離や車両の状況であれば、追加で料金が発生することはありません。
3,そのまま乗り続ける
そのまま継続して乗り続ける場合は、残債を支払うことになります。
現金で一括支払いをするか、新たにローンを組んで分割支払いすることになります。
それでは残価設定型クレジットのメリットとデメリットについて書いてみましょう。
■残価設定型クレジットのメリット
- 毎月の支払い額が抑えられる
- 購入時にまとまった現金がなくても大丈夫
- ライフスタイル(結婚・出産など)の変化に対応できる
- 買取保証があるから安心
■残価設定型クレジットのデメリット
- 規定の走行距離の範囲を超えると別途料金が発生
- 自動車査定による減点が規定を超えると料金が別途発生
- カスタマイズはできない
- 所有者名義はディーラーになる
- 返済額を最終支払回に多くしているだけ
簡単にいうと、決められた規定を守らないと「乗り換え・返却時」に料金が発生します。
その料金を支払わないと、車の買い取りをしてもらえず買い取りをしないといけないということです。
毎月の支払金額も安くなっているように見えますが、結局は最終回に残債を一気に返済する「いびつな支払い方法」になっているだけです。
もちろん予定通り下取りをしてもらえれば、最終回分の支払いをしなくてもすみます。
その代わり車を買い換えるか返却しなければなりません。
長く車を乗りたい人にとっては、あまりオススメの支払い方法とは言えません。
逆に借入れ当初のローン支払額を抑えたい人や家族が増える予定があるような人には利用する価値があるかもしれません。
自分のライフスタイルを考えたうえで、残クレを利用するかどうかを決めましょう。