自動車ローンの申し込みをする場合に心配なことが、審査に通るかどうかということです。
金利と審査には深い関係があって、返済能力(与信)が高い人ほど金利は低くなる傾向にあります。
金融機関は貸し倒れの心配がない人には、低い金利でもお金を借りて欲しいのです。
逆に返済能力に不安がある人にお金を貸す場合は、貸し倒れの危険性を考えて金利を高めに設定します。
だから低金利の銀行系自動車ローンは、審査が厳しいと言われているのです。
自動車ローンの審査項目や審査基準について、詳しいことは公表されていません。
各金融機関によって、項目や基準は違います。
しかし審査において重要視される項目は、ある程度分かっています。
【重要な審査項目】
・年収
・他社借入状況
・勤務先
この三つです。
どうしてこの三つが大事かというと、返済能力の判定に大きく影響するからです。
【年収】
金融機関が返済能力を試算する場合に、年齢や家族構成から一般的な生活費を算出し、それを年収から差し引いてどれぐらいの金額が残るかを計算します。
つまり年収が低いと生活費などでほとんどお金を使ってしまい、返済に回すお金が捻出できなくなる可能性が高くなると予測するのです。
ある程度の年収をクリアしていないと、安定して返済を続けてもらうことに不安があるということです。
では年収が多ければいいかというと、そういう訳でもありません。
【他社借入状況】
年収が多くても支出が多ければ、安定して返済し続けてもらうことに不安があるのは変わりありません。
支出額の多さが問題になるのですが、支出は中でも一番注意をしなければならないのがローンや借金などの借入金額です。
生活費などは切り詰めることで削減できたりしますが、返済額はなかなか減額できません。
そうなるとローン返済などが多い場合は、年収が多くても残る金額が少なくなり返済に不安が生じます。
しかも、社会的環境の変化が早い時代だけに、会社の倒産やリストラなどによる収入の減少も考えておかなければなりません。
収入が減ってしまえば、他社借り入れ金額の占める割合が増えて返済遅延や返済トラブルに発展する可能性が高くなります。
そういう意味では安定した職種や職業は、審査する分で大きなメリットとなります。
【勤務先】
例えば中小企業に勤めている人と公務員とでは、審査をするうえで大きな違いがあります。
やはり公務員のように倒産やリストラの危険性がない職業は、安定した収入が見込めるので返済能力も高いと判断されます。
逆に浮き沈みの激しい業種や社員の入れ替わりが激しい職種などは、収入が激変する可能性があり返済能力が高いと判断されません。
このように公務員や一部上場企業の正社員の人は、返済能力が高いと判断され審査に通りやすい傾向にあります。
【まとめ】
金融機関はお金を貸して利息で儲けようとしています。
つまり長期間の間、安定して返済を続けてくれる人には金利を安くしてでもお金を借りて欲しいのです。
逆に完済してもらえるかどうか不安な人には、金利を高くしてリスクヘッジをするか、そもそもお金を貸さないという選択肢になります。
ローンの申し込みをする場合に、自分の「年収」「他社借入状況」「勤務先」などを考慮した上で借入先を検討するようにしましょう。
【ローン申し込みの注意点】
自分の与信状況が低いのに、金利が安いからといって申し込んでいては「審査落ち」が続いてしまうことになりかねません。
審査落ちが続くと「申し込みブラック」と呼ばれる状況になってしまい、金融機関からお金を借りにくくなります。
そうならないためにも借入先を慎重に選び、仮審査や事前審査のサービスが提供されていれば利用するようにしましょう。
仮審査や事前審査は審査可否の目安となり、万が一審査落ちしても信用情報機関(CICなど)に審査落ちのデータが残りません。
自分の返済能力(与信)が心配な人は、必ず仮審査や事前審査を受けることをおすすめします。